君の瞳に映る色
ゾクリと背筋を冷たいものが
下りていく。
見張られていたのだ。
玲が毎日家を出る時には
寄り添うように傍にいた意味が
ようやくわかった気がした。
守ってくれていた、
そのことに胸が熱くなる。
「…放してください」
押さえつけられている
身体を捩る。
「放して!わたしは
あなたのところには帰らない!」
櫂斗の腕の力に棗の必死の抵抗も
あまり意味をなさず、逆に
扉に身体を押しつけられる。
その圧迫感に思わず棗は呻いた。
一瞬の隙に、棗の唇が奪われる。
「……んんっ!」
被さってくる櫂斗の唇に
棗は籠った声を上げた。
防ぐ前に入り込んできた舌に、
気持ち悪さが込み上げ
涙が頬を伝う。
身動きの取れないまま
どうすることもできない自分に
腹が立った。