君の瞳に映る色


いつもなら気配でわかるのに。
そんな言葉が頭の中で
グルグルしていると、玲の
腕に力がこもった。

「誰か!あの男を
摘み出しなさい!!」

菖蒲が通路に向かって叫ぶ。

「悪いけど、もらってくよ。
お・か・あ・さ・ま」

玲の言葉と共にフワリと身体が
宙に浮く感じに襲われる。

2人が消えた後の部屋に
響いた菖蒲の悲鳴は
2人には届かなかった。







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