君の瞳に映る色


強引なキス。
でも嫌いじゃない。

受け入れるように身体の力を
抜くと、玲が制服のブラウスの
ボタンに手を掛けた。

「ダメよ…」

唇が離れたすきに
弱々しく言うと、玲が
ニッと笑った。

「いつかの続き、する?」

近づいてくる玲の顔に、
目を閉じようか迷う。

学校、という場所に
理性が邪魔をする。

玲の鼻が、唇が、
間近まで迫った時、
生徒会室の扉がガラガラと
鈍い音を立てて開いた。

「きゃぁ」

慌てて棗は玲の身体を
突き飛ばす。
ドアの横に樋野と瑠璃が
立っていた。

「…きゃぁ、はこっちの
セリフだけど…」

呆れて2人を見つめる樋野を
玲は睨んだ。
今日2度目の邪魔に玲は
イライラを隠せない。

「ノックくらいしろよ」

「…電気点いてなかったし」

樋野は構わず中に入ると
カバンを机の上に置く。
つられるように瑠璃も中へ
入ってきた。





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