君の瞳に映る色
連れてこられたのは
生徒会室だった。

「どうぞ、お嬢様」

わざと玲がうやうやしく
ドアを開ける。

小さい教室のようなものを
イメージしていたが、
中は応接室のように
豪華なものだった。

西園寺家の応接室には
全然及ばないが、
広々とした部屋には
立派なチェアセットに
装飾の綺麗な机が並んでいる。
棗は寝転べそうなほど
大きいソファーに腰掛けた。

静かな部屋には
窓の外の雨音だけが響く。

部屋の隅にいた玲が
棗に何かを持ってきた。

ふわっと甘い香りが辺りに漂う。

「どうぞ」

湯気の立ち上るカップを
受け取ると紅茶の香りがした。
玲は自分のカップに口をつける。
酸味のあるレモンティーの
香りだ。

「心配しなくても
毒とか入ってないよ」

飲もうとしない棗に
玲が笑いながら言う。






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