紅芳記

──月日が流れるのは早いもので、年が明けて文禄四年となりました。

夢の御方様も臨月に入られて、誕生を今や遅しと待ち侘びる毎日だとか。

城は高台にあるためまだ雪が残っておりますが、麓の村々では雪も溶け始め、春の気配が近づいております。

寒さも和らいではきていても、まだまだ底冷えがいたします。

そんな、寒い日の朝のことでした。


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