私と彼の関係
「気になさらないでください」


 彼は私達の飲んでいたカップを下げようとした。


 だが、お盆はさっき奈々さんが持っていってしまっていたことを思い出す。


 だが、三人分のカップを一人で持つのは難しい。


 何度か持ち方を変えたようだったが、彼はカップをテーブルに置くと立ち上がる。


 そして、背を向けると部屋を出て行こうとした。


 私は困っている彼の手助けをしたくて、思わず声をかけていた。


「私も手伝いましょうか?」


 背を向けていた彼が振り返る。彼の鋭さを残す視線が私を捉えていた。


「でも、悪いから」


「気にしないでください」


 私はできるだけ笑おうとした。


 実際、笑えていたかはあまり考えないようにする。


 すごく変な顔をしているきがしたからだ。
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