私と彼の関係
「ありがとう。手伝ってもらおうかな」


 彼はそう言うと、苦笑いを浮べていた。


 でも、その笑顔も苦笑いというのがもったいないほど、かっこいい。


 かっこいい人は何をしてもかっこいいんだなーと思った。


 彼の家のリビングは客間のすぐ近くにあった。彼の両手が塞がっていたこともあり、私がその扉を開けることにした。


 すっきりと整理されたリビングが視界に飛び込んできた。


 私は持っていたカップを彼の指示に従って、ダイニングテーブルに置く。


「ありがとう」


 彼はそう言うと、笑顔を浮かべる。


 ときめいてしまいそうなほどの可愛い感じの笑顔だった。


「もしよかったら何か手伝いましょうか?」


「いいよ。気にしなくて」


「何かさせてください」


 そう口にしたのは彼の力になりたいという気持ちの一心だった。


 そのとき、彼があくびをかみ殺していた。
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