私と彼の関係
 寝る前、鏡を見ていると、思わず自分の唇をなぞっていた。


 何事もなかったように別れたが、今日はキスをしていたんだ。


 それも二人とも初めてだった。


 本当はもっと怒ってもおかしくないと思う。


 でも、それでも怒る気になれなかったのは相手が宮野君だったから。


 わたしにだけしてくれたキスの理由が私が特別だからならいいのに。


 私はそう考えると、ベッドに寝転がり天井を見てため息を吐いていた。
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