i want,
「…やだから」
「え?」
祐ちゃんが立ち止まり、振り向いた。
あたしはその顔をしっかり見て、叫びに近い声で言う。
「ヒカルとは別れない。絶っ対別れんけぇね!」
それだけ言うと、踵を返して駆け出した。祐ちゃんがあたしを呼ぶ声が聞こえたが、構わず走る。
走りながらただ脳裏にあったのは、受話器の上がらない表示のコール。
…誰がヒカルを悪く言ったって、あたしは絶対、ヒカルを見捨てない。
あたしだけは絶対、ヒカルの側から離れない。
いつかヒカルが、あたしの支えになってくれたみたいに。
あたしの全てをわかってくれているのはヒカルであるのと同じように、ヒカルの全てをわかっているのはあたしだと、信じて疑わなかった。
あの冬は。