i want,
綾もあたしも、何も言わなかった。たださとの言うことは、何も間違ってないと思った。
『求めすぎちょる』
あたしはヒカルを、求めすぎてるのだろうか。
どうやったらこの気持ちは、満たされるのだろうか。
何もわからないまま、廊下にチャイムが鳴り響いた。
「授業じゃ」、んっと起き上がり、さとが伸びをする。
「あんま気にすんねや」
座ったままのあたしを見下ろし、いつもの様に軽く言う。
「お互いを思っちょることは、何も悪いことじゃないんじゃけ」
にっと歯を出すさとに、あたしも眉を下げて「そじゃね」と言った。綾も立ち上がり、「たまにはいい事言うじゃ!」とさとの背中を叩く。
そんな二人を見ながら、羨ましいと思う気持ちは抑えられなかった。
相変わらずヒカルはあまり学校に来ない。来ない間何をしているのか、あたしは知らない。
訊いたら答えてくれると思う。でもあたしは何故かいつも訊くことができない。
増していくのは、小さな不安と、大きな焦燥。
ただヒカルに会いたいとだけ、いつも思っていた。