i want,


……………

お昼ご飯を適当に食べた後集合場所に行ってみると、驚くことに垣枝達が待っていた。

「…なんしよるん?」

開口一番はその一言。女子は多分、みんなそう思ってたはずだ。

「なんしよるんって、お前がここに集合っち言ったんじゃーや」
「だって、垣枝うんって言わんかったじゃ!」
「心の中で返事したんじゃ。悪ぃか」

なんとも強引ではあったものの、とりあえず待っていてくれたことに心から安心した。
これで今日、嫌いな人参食べてまで垣枝を誘った意味ができた。

「えと…したら、とりあえず入ろっか、お化け屋敷!」
「あれ?福山は?」

テンションを上げるあたしの横で、歩夢が言った。
言われて気付く。そういえば福山がいない。

「あいつ、昼からお化けじゃ」

お化け?すっとんきょうな声を出すあたしにさとが説明を加える。

「亮太、実行委員じゃろ。昼からお化け屋敷でお化けやるんて」
「うそー!聞いちょらんし!てかお化け役とかできるなんて初めて知ったしっ」

やりたかったなぁ、目立ちたがりのあたしは心底がっかりした。そんな役ができるなら、実行委員でもなんでもやればよかった。

なんて一人どうでもいいことを考えていたところに、真依が思いがけない提案をした。

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