i want,
ニヤッと笑いながら、あたしの前に屈む。
途端に顔が熱くなり、「ばっかじゃない!」と、さっきより大きな声で言った。
「別にハブられとらんしっ!たまたまじゃ!」
「ほーぅ、そうけそうけ」
「なにそれ、めっっちゃムカつく!」
「別に何も言っちょらんがー。まぁ女子はそういうのが好きじゃけぇの」
ははっと笑い飛ばして、「退屈じゃったら俺らんとこ来りゃいいがー」とあっさり言う。
「せっかくの修学旅行じゃけぇの。楽しまにゃ損じゃ」
「行こかー」、よっと荷物を掲げ、ホテルに入って行くさと。
その背中を見ながら、「ばっかじゃない」と小さく呟いた。
多分、さとなりに気を使ってくれてるんだ。
口には絶対出せないけど、心の中でちょっと感謝した。