i want,
…不変なんか、ない。
変わらなかったものなんか、何一つないのだ。
いつまでも今のままなんて絶対ない。
「…そうじゃね」
青空と鳩達は、何故だかとてもこの哀しい跡地に似合っている。
時間の止まったこの建物は、あたしの胸に小さな跡を残した。
人は変わる。
気持ちも変わる。
確かなものなんか、何もない。
それを哀しいと思うのは、人間のエゴなのだろうか。
…絶対に変わらない、揺らがない何かが欲しい。
コンクリートでさえ風化していくというのに、どうして常に不安定な人間にそれが求められるだろう。
そんなことを、ただ淡々と感じた。
垣枝は何を感じただろう。
無表情の奥に、何を思っていたのだろう。