i want,
「なんけ、一人け」
「…うん」
「まぁ知っちょったがの。さっき菊地らぁが売店で騒ぎよるの見たけぇ。お前行かんの?」
パーカーのポッケに両手を突っ込みながら尋ねる。
その質問に、今のあたしが答えられる筈がない。
垣枝は、そんなあたしを見下ろしていた。
なんだかとても惨めな気分。
俯いたまま、下唇をぎゅっと噛む。
「…お前、暇なんじゃろ」
「は?」
「暇人じゃ。じゃったら遊ぶか」
「遊ぶ?」、物凄く違和感を感じる言葉を、あたしはオウムの様に繰り返した。
布団の上に座ったまま見上げた垣枝は、あたしを見下ろしたままニヤッと笑った。
その笑顔が、なんだかとても苦しい。