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「そこで田口が、『矢槙が大事なお守り落としたから、ヒカルもそれに付き合って探しに出たってことにしよう』って。ほら、夜じゃし、女の子1人じゃ危ないじゃろ?お守りは、お祖父ちゃんの形見でもなんでもえぇって」
お祖父ちゃん生きてるんだけど。そう思ったけど、そこは敢えて言わないでおく。
単純に、田口の機敏な対応に感謝した。
「まぁ正直、先生も半信半疑じゃったけどね。でも修学旅行じゃし、こういうことも多分想定内じゃったんじゃろ」
「なんにしろ、一件落着でよかった」、真依は、その大人びた笑顔であたしに言った。
あたしも笑顔で頷く。
…真依は、垣枝とのことは聞いてこなかった。
多分、あたしから話すのを待ってくれてるんだと思う。
その信頼が嬉しかったし、あたしは多分それに甘えてしまってる。
まだ、誰にも言えないと思った。
自分でも持て余している、この感情は。