i want,


「…ごめんね」


不意に、真依が言った。

「あたし、何もできんけぇさ。あおが傷ついとるって思っても、どうすればいいかわからんくて」

真依が言わんとすることはわかっていた。

あたしは小さく頭を振る。

「あたしだけでも、あおと一緒におるべきじゃった」
「そんなこと言わんで。多分…真依がそんなことしたら、あたし気ぃ使うもん。真依には、修学旅行楽しんで欲しいし…」

それは本心だった。

気を使われて一緒にいられても、益々悲しくなるばかり。
真依は多分、それをわかってくれていた。
だから敢えて、みど達と一緒にいた。

「真依があたしのこと考えてくれとるって、わかっちょるし。それだけで…あたしは嬉しいよ」

そう言うと、眉間にしわを寄せたまま、真依は小さく微笑んだ。


やっぱり綺麗だと思った。


< 97 / 437 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop