ロ包 ロ孝
「あれれ? もう片付いちゃったみたいだな。おうい栗林、賊は捕まえられたのか?」
連絡を受けた俺達が現場に駆け付けると、落ち着きなくウロウロしている栗原を見付けたので、首尾を聞いてみる。
「坂口さん! こっ、この通りっスよ!」
「栗林ぃ! ロープとカッター持って来たわよぉ」
「里美さぁあん」
連絡を受けて俺達が駆け付けた時には、既に事が済んだ後だった。
「ひぃふぅみぃ……と、このたかだか7人の為に私達は苦労してきたのね!」
「解らんぞ? まだ仲間が潜伏しているかも知れないからな」
賊共の手首を里美が持ってきた1本のロープで次々に縛り上げる。足の自由も効かず、手も繋がっていたら、逃げようにも逃げられまい。始めは威勢が良かった彼らも、観念したのかすっかりおとなしくなっていた。
「しかし栗林。お前ひとりで良くやったな!」
「いや、実は……」
申し訳なさそうに頭を掻きながら説明する栗原。美味しい所は全て舘野さんに持っていかれて、全く以ていい所はひとつも無い。
「しかしそんな……、あの婆さんがか?」
前に舘野さんの事を「伊賀忍か!」と冗談で口にした事が、まさか本当になってしまうとは!
『銀杏婆ちゃん』の正体が、その手の者である事は最早間違いない。
「本当ですよ。ねえそうっすよね? 遠藤くん」
栗原は手柄をさらわれ、バツが悪かったのも手伝ってか、遠藤に同意を求めた。
「はい。閃光弾を使っていました。昔の言い方ですとケムリ玉と言いますか……。
私は賊の退路を断つ為に少し離れた場所に待機していて見ていたのですが、あの動きの素早さは、とても常人の物とは思えませんでしたよ」
連絡を受けた俺達が現場に駆け付けると、落ち着きなくウロウロしている栗原を見付けたので、首尾を聞いてみる。
「坂口さん! こっ、この通りっスよ!」
「栗林ぃ! ロープとカッター持って来たわよぉ」
「里美さぁあん」
連絡を受けて俺達が駆け付けた時には、既に事が済んだ後だった。
「ひぃふぅみぃ……と、このたかだか7人の為に私達は苦労してきたのね!」
「解らんぞ? まだ仲間が潜伏しているかも知れないからな」
賊共の手首を里美が持ってきた1本のロープで次々に縛り上げる。足の自由も効かず、手も繋がっていたら、逃げようにも逃げられまい。始めは威勢が良かった彼らも、観念したのかすっかりおとなしくなっていた。
「しかし栗林。お前ひとりで良くやったな!」
「いや、実は……」
申し訳なさそうに頭を掻きながら説明する栗原。美味しい所は全て舘野さんに持っていかれて、全く以ていい所はひとつも無い。
「しかしそんな……、あの婆さんがか?」
前に舘野さんの事を「伊賀忍か!」と冗談で口にした事が、まさか本当になってしまうとは!
『銀杏婆ちゃん』の正体が、その手の者である事は最早間違いない。
「本当ですよ。ねえそうっすよね? 遠藤くん」
栗原は手柄をさらわれ、バツが悪かったのも手伝ってか、遠藤に同意を求めた。
「はい。閃光弾を使っていました。昔の言い方ですとケムリ玉と言いますか……。
私は賊の退路を断つ為に少し離れた場所に待機していて見ていたのですが、あの動きの素早さは、とても常人の物とは思えませんでしたよ」