かんけりっ!
「痛ぁ…」
くぅ。
顔を押さえた手のひらを見るとべっとりと張り付く血。
鼻血だ。
「夏樹。…これ以上『缶蹴』を汚すなら本気で私は君を潰すよ?」
訥々と冷えた口調で彼女、茜子が言う。
「ナツキ君、大丈夫か?」
「…だ、大丈夫です」
痛ぃな、クソ。
これは本当に鼻でも折れてるんじゃないか?
「……夏樹。私は、私達は本気でこの戦いに身を投じているの。それを侮辱する事は許さない」
「…許さない。ね」
鼻をかむように鼻血を吹き出し、僕は構えた。
彼女、茜子と相対する為に。
「悪かった。僕が、悪かったよ茜子」
不思議な感覚だ。
ついこないだまで『缶蹴』と言う競技に疑問を、そしてさっきは殴り合いに不満を抱えてたのに。
今じゃそんな感覚はまるでない。