君を愛す ただ君を……
返却されたテスト用紙を鞄の中に突っ込むと、あたしはふぅっと息を吐き出した

テストの点数が悪いわけじゃない

テストの結果はいつも通りだった

可もなく不可もなくって感じで、どの教科もほぼ平均点と大差なし

学年の中間あたりに位置する成績だと思う

成績に、不満はないよ

ただ…今朝のことを考えると、気が重たいの

越智君の会うのが怖い

会いたいけど、会いたくない

会ったら、泣いてしまいそうで

泣いたら、きっと越智君が心配するし、泣いた理由を知りたがる

理由を知ったら、越智君なら憤慨するだろう

母親のしたことに軽蔑をして、もしかしたら母親を嫌いになっちゃうかもしれない

きっとあたしも嫌われちゃうね

恋心よりも、お金を取ったあたしだもん

越智君に、嫌がられるね

「階段とこに貼り出された順位表…見た?」

教室に戻ってきたリンちゃんが、あたしの席のところに来ると明るい声で口を開いた

あたしは顔をあげると、リンちゃんを見つめる

「越智君、学年で1位だよっ!」

ええ? 1位?

部活をやり始めたのに、学年1位?

今までの成績の中で、一番良いんじゃないの?

すごい、すごいよ、越智君

「睡眠時間を削って、勉強してたみたいだからね」

あたしはリンちゃんに答えた

「だよねえ~。じゃなきゃ、1位なんて取れないよ。私なんて、テストの前日でも睡眠時間は10時間だったよ」

リンちゃんがにかっと白い歯を見せて笑った
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