君を愛す ただ君を……
「なあ、涼宮。朝までここに居ていいか?」

「越智君が平気なら」

「じゃあ、朝まで一緒にいる。涼宮と同じベッドで横になりたい」

布団の中に、越智君が入ってくるとぎゅうっと抱きしめられた

越智君のにおいがあたしを包み込んでくれる

「越智君、家に帰ってからお母さんに怒られた?」

「いつも怒られてるから。別にどうってことない」

「でも怒られたの?」

「まあね。ヒステリックにキャンキャン喚くから、3時間くらい頭痛が酷かった」

あたしは肩を揺らして笑った

「笑うなよ。ほんとにキャンキャン煩いんだって」

「知ってるよ」

あたしだって、越智君のお母さんに怒鳴られてるんだから

越智君の指があたしの髪を触った

次の瞬間、越智君がまたあたしにキスをしてきた

「母親の話はするなよ。せっかく涼宮と過ごしてるのに、苛々するだろ」

「だって…何を話したらいいのかわからなくて」

「そうだなぁ……って、俺も思いつかないや」

越智君がくすくすと笑う

あたしもつられて、笑い声をたてた

「ねえ、越智君。抱いてって言ったら、抱いてくれる?」

「いいよ」

越智君の優しい声が、あたしの頭上から聞こえてきた

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