君を愛す ただ君を……
『まあ、一年も続けばいいほうなのかな? 愁の気持ちって、よくわからなくって。不安ばっかが募るよ』

「大丈夫だよ。越智君は、しぃちゃんを大切にしてる」

『陽菜にそう言ってもらえて、安心したよぉ。ありがとー。また明日ね』

「明日ね」

あたしは携帯を持ったまま、ベッドに倒れ込んだ

気持ちの温度差…か

そんなことないよ

越智君はしぃちゃんを大切にしているよ

クリスマス、一緒に過ごすためにバイトをしてるんだから…きっとクリスマスの日にそれを知って、しぃちゃんは感動するんだろうなあ

しぃちゃんの嬉しそうな顔を想像すると、あたしも笑みが零れた

それまであたしの心臓が動いてるといいなあ

明日も、明後日も動いて、クリスマスもお正月も三人で一緒に顔を合わせたいよ

あ…クリスマスは会えないか

恋人同士の時間だもんね

あたしは布団の中に身体を入れると、瞼を閉じた

越智君のバイト代で、指輪が買えるといいね

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