君を愛す ただ君を……
ホテルについて、俺は非常階段で凛に電話をした

15分くらい話をして、それから俺は部屋に戻ろうと廊下を歩いていた

向かい側から佐久間が大きな荷物を持ちながら、歩いてくる

「持とうか?」

俺が声をかえると、「ありがと」と佐久間が二つほど大きな鞄を俺に渡してきた

「これ…何? すげえ重たいんだけど」

「試合のときに使うものが入ってる。応急処理とか、スコアブックとか…風邪薬とか、いろいろよ」

「ふうん…ってそういうのは一年に持たせろよ」

「長旅で疲れてもう皆、部屋よ」

「あ…そう」

俺は佐久間のあとをついて歩いた

なんか気まずいなあ

佐久間と何を話したらいいのか、わからない

「彼女とうまくいってるの?」

「あ…ああ、まあ…それなりに」

「そう。佐山がさ…心配してたよ。ライが苦しい恋をしてるんじゃないかって」

あいつ…余計なことをぺらぺらと

俺はこめかみを爪でぽりぽりと掻いた

どう反応したらいいのかわからない

「結婚してるんだよね?」

佐久間が足を止めると、俺の顔を見上げた

佐山ぁ…んなことまで話したのかよっ

「…やっぱり。結婚してるんだ。佐山には黙ってろって言われたんだけどね。見ちゃったんだ。永田さんって子が、他の男と歩いてマンションから出てくるの。しかも指輪もしてたし…もしかしてライが騙されてるのかな?って思ったんだけど…佐山が必死に言うなって言うから…首絞めて、あいつが知ってる話しを聞きだしたんだ」

「すげえ…なあ。首絞めたのか?」

「どうせ佐山だし」

「付き合ってんの?」

「はあ? やめてよ。あんな女好き」

佐久間が、首を左右に振った
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