雨のあとに
アレクがあたしの事好きだったなんて、あたしは戸惑うばかりで何もできなかった。そりゃあアレクは良い人だし好きだけど、でも異性としてじゃない。それからアレクの部屋で待っているとアレクが馬の用意ができたと迎えに来てくれた。それから何も話さずに港まで送ってくれた。アレクは船のチケットとを買って渡してくれた。

『これでランドまで行ける、それからマサルドリアまでの金だ。これだけあれば足りるだろ。』

アレクは金貨の入った袋を差し出してあたしはそれを受け取ってた。アレクに申し訳ない気持ちでいっぱいだった。アレクの気持ちに答えてあげられないのに、アレクはあたしをこんなに助けてくれる。金貨の袋を強く握りしめている手をアレクが優しく包んでくれた。

『言っておくが、コレは貸しだからな。いつか返せよ。それに俺はお前を諦めるつもりはない。カカロンをキスカに任せられる頃にお前を惚れさせてマサルドリアに婿入りしてでも結婚するからな。』

『何それ、あたしが好きになるかわかんないじゃん。』

『婚約者に伝えておけ、俺は負けないってな。』

『分かった。』

船が出航してアレクと別れた。アレクの言葉は本気なのか励ます為の冗談なのか分からないけど、元気になれたのは事実だった。今のは結構ポイント高いよ。アレクとキスカのどちらが王様になってもカカロンはきっと良い国になる。いつかまた違う形でアレク達には会えるよね、今度はお互い王としていい関係になれるはずだよ。
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