王国ファンタジア【氷眼の民】―ドラゴン討伐編―
「頼んだぞ」
最後にそう告げると、ユリエスは意を決したのか力強く頷いた。
他の者も、目配せをして小さく頷く。
手負いの少年に全てを託すのは非常に危険な行為かもしれない。
しかし幻龍という未知の生物に対抗するには、少しでもその知識を有し決定打に比いでる者が必要なのだ。
レインが結界内で魔力を高めている間、結界外にいる三人はレインを死守しなければならない。
ベリルはセシエルの矢筒に手をかざすと、ミスリルの矢尻に電気が負荷された。
電気を纏った矢は、ドラゴンの鱗を簡単に突き破る。
貴重なミスリルの矢。
セシエルはそれを乱暴に引き抜くと、後ろ手にそれを振るった。
背後から襲いかかったドラゴンの眼球に突き刺さる。
途端にドラゴンの全身に電流が流れ、ドラゴンの身体から焦げくさい煙が立ち上った。