もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。



ピクッと金髪の眉が動く。


あたしは、溜め息をついた。


「君達の事情はよく分かんないよ。でも君は間違ってるよ」


一番を取られたからなに?
だったら取り返せばいいじゃん
上回り方を忘れた?
思い出せばいいじゃん。


あたしを巻き込んで人質を取って、それでどうするの?


「あたしを殺されたくないなら、一番を譲れとか言うの?」

「てめぇ……」

「そんなので一番取って満足する?あれだ、テストカンニングして一番になったのと一緒」

「黙れ!!」

「雪那!!」


金髪がナイフを振り上げる。ナイフを持つ手はカタカタ震えているように見えた。


「やりたければやれば?どーせ、あたしは一人だし」


ここで死ぬなら、苦しまなくて済むし。


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