もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。
本音を言えば、今両目がズキズキと痛んでいた。襲われたことのない痛みに吐き気までする。
―――苦しいんだ。
すぐにこの痛みから解放してくれるなら、とあたしは目を瞑った。
「―――やーめた」
「?」
諦めたような声にあたしは目を覚ますと、金髪の手からナイフが滑り落ちている所だった。
カランと音を立ててナイフが床に転がる。
「宝生?」
「なんか、もうよくなったわ」
金髪の行動に赤色は驚いているみたいだ。
赤色の腕の力が緩んだ。
それと同時に、慧斗が走ってきて金髪の顔に拳をいれた。
「っ――………」
「よくも、クソが!」
慧斗は続いて赤色も殴り倒した。その反動で飛ばされたあたしは奏に抱き止められた。
「おかえりー雪那ちゃん」
「………」
にっこりと笑っている奏だけど目が笑っていない。