もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。



本能が離れろと伝えてくる。
しかし、奏から離れようとしてもがっちりと抱き締められていて離れられない。


「っ!っ!」


呻き声が聞こえてきて、そちらに視線を移すと、金髪に慧斗が馬乗りになって殴り続けているところだった。
赤色の意識は既にない。


昔一番だったのならそれなりの力があったはずだのに、一方的にやられている二人には差がありすぎる。


慧斗が強すぎるんだ。
狂ったように殴り続けている慧斗には感情が一切ない無の状態だ。


「………慧斗、そこまでにしなよ」

「………」

「もう、意識ないしさ」


奏の言葉に慧斗は、最後に一発を入れてから殴るのを止めた。


「………」

「ブルーバードも終わりか」

「ブルーバード?」

「こいつらの族の名前」


もうその名もなくなるけど、と奏は言う。


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