もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。
「………さてと、次は雪那ちゃんの番だ」
にっこりと笑う奏は悪魔に見えた。
タラリと冷や汗が流れる。
「………帰るぞ」
金髪から退いた慧斗は、汚れた手を金髪の服で拭った後、ギロリとあたしを睨んでくる。
蛇に睨まれた蛙ってこんな気持ちなのかな。
「雪那ちゃんはお咎めなし?」
「帰ってからだ。こんな場所一秒も居たくない」
そう言うと、慧斗はあたしの腕を掴んで奏から引き剥がした。
軋むくらいに手に力を入れられて、あたしはこの世界は男女平等だと確信した。
「雪那」
低い声で名前を呼ばれて驚くほど低かったのでピクッとする。