もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。



どうしてあたしは叩かれた?
どうして慧斗はそんな怒るの?


あたしの中でプツンと何かがキレた。


「………あたしの勝手でしょ」

「あ?何だと?」


睨んでくる慧斗は鬼よりも怖い。
また叩かれるかと思ったけど、あたしも言いたいことがあった。


「あたしにはあたしのやりたいことがあるの!っ」


叫んだ瞬間、左目に激痛が走って左目を瞑る。
幸い、慧斗は気付いていない。


「だから、携帯切ったと?」

「別にもう連絡する必要ないと思ったから!」


確か、奢ってもらった対価でここにきた。対価はもう払ったし、慧斗の家に連れて行かれたのも慧斗が勝手にしたことだ。


だからあたしは本来の生活に戻る。
それで良かったはずなのに。


< 110 / 287 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop