もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。



連絡すると言ったのにいつまで経ってもメールはない。何かあったんじゃないかと電話しても電源を切っている。


7時になっても音沙汰無しで、本当に何かあったのかと心配になった。


「GPSがなかったら、助けに行くの遅かったかもしれない」

「GPS?」

「ストラップやったろ?あれGPS付き」


奏から貰った奴………だから、念のためだったんだね。


「ほんとさ……頼むから、」


ふわっと優しく慧斗に抱き締められた。香水だろうか、良い匂いがする。落ち着く、匂い。


「頼むから、勝手にいなくならないでくれ………」

「………慧斗…」


ぎゅううっと潰れちゃうんじゃないかって位に抱きしめられる。


「また、今日みたいに誘拐されるかもしれない。一人じゃ、危ないんだよ」


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