もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。
慧斗は、ゆっくりあたしから離れた。
「雪那、お前は何を隠してるんだ?」
「………」
「否、何か隠しててもいい。だが、俺は、……俺だけは側にいさせてくれ……」
隠し事……ね。
そうだね、慧斗には隠し事がある。それはきっと話すことはないだろう。
時間が来るその日まで。
でも、その日までは、一緒にいてもいいのかもしれない。
どうしてか、今のあたしには、こんな慧斗を振り払うことはできない。
もしかしたら、気付いてないだけだったかもしれない。
心の中で何かが芽生え始めていることに。
「話、終わったー?」
ガチャンと奏が大きな袋を持ってはいってきた。
「………あぁ」
「良かったーはい氷ー」
奏は、大きな袋から小さめの袋を取り出して慧斗に投げる。