もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。



「雪那」

「………洗うから、大丈夫だよ」


へらっと力無く笑うと、慧斗は顔を歪めた。
怒りと悲しみが混じったような、顔。


「大丈夫だから、出て……きゃっ?!」


いきなり腕を引っ張られたかと思うと、あたしは慧斗に包まれていた。
ぎゅうっと、きつく。


「………笑うな」

「慧……斗…?」

「辛いだろ?笑うなよ、泣けよ……こっちが辛い」


優しい手で濡れたあたしの頭を撫でる慧斗の温もりにあたしは視界が滲んでいくのを感じた。


自分から流す何年も前のあの日に枯れたはずの涙が、ポロッと零れ落ちた。


「………っ」

「もう少し早く助けにいけてたら………」


自分を責める慧斗にあたしは首を振った。


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