もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。
瞬きをすると、目の前にいたはずの慧斗の顔はなくて代わりに黒一杯になる。
チクッと甘い痛みと染みる痛みが混じったのが首筋を襲う。
そこで初めて黒が慧斗の髪だと認識できた。
甘い痛みは首筋からだんだん下がってきて胸元にまで来た。
されるままになりながら、あたしは先程まで感じていた嫌さが別のものに塗り変えられていくのを感じる。
その道は、金髪があたしにつけた痕の場所と同じ場所だった。
塗り変わっていく、慧斗に。
「………なぁ雪那」
一旦、慧斗が顔を上げた。
目を合わせられて、あたしは綺麗な慧斗の顔に見入ってしまう。
「俺は、お前無しじゃダメだ……なら、雪那は?お前は?」
あたし?
あたしは………
きっと今ここで慧斗に全てを預けてしまえば楽になる。
けれど、ここから先は踏み越えてはいけないラインではないだろうか。