もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。
「月ちゃん、あたし屋久島に行く」
『屋久島ぁ?』
「うん。決めた」
屋久島に行くよ。あたしは。
そこが旅の終わり。
『遠くない?』
「いいよ。旅だから」
『だけど……』
「とにかく、もう決めたから……じゃあね」
『ちょ、待ちなっ』
「バイバイ」
『雪那っ……!!』
呼び止める月を遮り、あたしは一方的に別れを告げると、電話を切った。
ごめんね、月ちゃん。
あたしは暫く公衆電話を見つめた後、くるりと向きをかえてボックスから出た。
「さーてと」
ぐうっと伸びをしてあたしは、歩き出す。最後の旅の準備をしなくちゃ。
最後の………最後の旅。
あたしの死に場所は、屋久島。