もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。
おばさんが示してくれた方を歩いていくと、森の入り口があった。
入り口があるなら別の場所には出口があるのかな?
そんなことを考えながらあたしは森に一歩足を踏み出した。
騒音なんてない、自然の音が優しくあたしの鼓膜を震わせる。
鳥の声、木を揺らす風の音、そして水の音。
森は一面緑で埋め尽くされていて、足元は岩だらけ、もしくは苔だらけだった。
「………すごいなぁ」
天を仰ぐと大きな樹が空を隠していた。枝と枝の間から差し込む光が神秘的だ。
あたしは、ひたすら歩いた。
坂を上ったり岩を越えたり水溜まりを上手く避けながら歩いて、疲れたら流れてる川で休んで、癒して。
気がついたら、森の中なのに広い場所に出た。