もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。
前髪を退かして右目を見せる。今は青いカラーコンタクトをしているけどその下にある黒い瞳には光がない。
「どうせ治療法がないんだもの。病院に行っても意味がない。」
それにね、とあたしは続ける。
「目が完全に見えなくなる前に、色んな綺麗な景色を目に焼き付けておきたい。」
後は、どうでもいい。
「………その後は」
「え?」
「見えなくなった後、どうやって生きていくんだ」
生きていく?目が見えなくなったら生きていけないじゃん。
「………」
「高校も行かないで、働き口もないだろう」
分かってるよ。
「今は、障害者にも働けるようにと色んな職がある」
それも、知ってる。
「高校だけはでなさい」