見えないお姫さま
密会
それはいつものように庭仕事をしているヴァンを邪魔しないように見ている時だった。
「なあ、アイリ」
「何かしら?」
ヴァンはホースの先を潰して、水を撒く。
水が弾けるように飛び出ると、そこに太陽の光が当たり虹が出来ていた。
「今度――…」
「虹!」
「あ、え?虹?」
「凄い!綺麗ね」
「…あー。うん。綺麗」
「ちょっと何よ!その感情のこもってない感じは!」
「いや、綺麗だよ!綺麗だと思ってるよ!てか俺の話が途中だ!」
え?
そうだったかしら?
「あー…。ごめんなさい…」
そういえば、何か話しかけられていた気がしないでもない。