ロシアンルーレット【コミカルアクション】
 4人に対して2人で挑むのは無謀だのなんだの、取り逃がしたらどうするつもりだだの、その説教はエンドレスに続くように思われた。


 この人は、説教するためにわざわざ現場までやって来たのだろうか…?


 ほとんど聞いてなかったがいい加減苦痛になり、説教真っ最中にもかかわらず、


「いいっすかぁ?もう行っても。」


 俺は右手で後頭部をボリボリかきながら、うっとうしそうに言った。


 蔦山さんは、そんな俺を見てフッと笑った。


 もちろん、益々ヒートアップする課長。


 火が付いたようにまくし立てる課長に背を向け、俺は歩き出した。


 せっかく蔦山さんに帰る許可もらったのに、こんなくだらないことに時間を潰したくなかった。


 応援に来た警官達も、課長のせいで署に帰ることができずに困ってるしね。


「有坂ぁぁぁぁ!!!!」


 悔しそうな課長の叫びが、虚しく俺の背中にぶつけられた。

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