ロシアンルーレット【コミカルアクション】
 ごく一般的な一戸建て住宅。


 この辺りは住宅街で、夜も更けると静まり返っている。


 俺は門の外でインターホンを鳴らし、素早く敷地内に進入し、庭を駆け抜け玄関の扉に背中を密着させ息を潜めた。


 ガチャッという音がして、ゆっくり扉は開けられた。


 恐る恐る中から顔を覗かした人物のこめかみに、俺は細長いものをそっと当てた。


「まだ生きたけりゃ…言うとおりにしろ。」


 俺は低い声で囁いた。






 数秒の沈黙の後、


「今夜は何よ?!バカ皆人!」


 こめかみにあてがった、銃の形を作った俺の右手の人差し指と中指を、ペシッと叩き落として彼女は言った。





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