ロシアンルーレット【コミカルアクション】
「頼む…飯食わして。」


 俺がすがるように願った相手は『蔦山 まどか』、蔦山さんの奥さんだった。


 スロットで全財産使い果たした俺は、蔦山邸に命乞いに来たわけだ。


「どうせ女か博打でしょ?」


 スラッと背が高く、ボーイッシュな髪型がよく似合うそのヒトは、呆れたように横目で俺を見やった。


 そして開けた扉を背中でもたれるように押さえて腕を組み、何食わぬ顔で家の中へ進入する俺を瞳だけで追った。


「今日のご飯何?」


 俺は立ち止まることなくキッチンへ直行した。


「ハンバーグ。」


 彼女は俺を見張るかのように俺の後について来ながら、めんどくさそうに答えた。






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