ロシアンルーレット【コミカルアクション】
 逃げられた…


 そう思った瞬間、後頭部をものすごい衝撃が襲った。


 危うく意識が飛びそうになるのを必死で持ちこたえたが、背後から銃を握った右手首を掴まれ、と同時にうなじも乱暴に掴まれ、俺の上体はベッド上にうつ伏せに押し付けられた。


 相手の姿は見えないが、今度は背中に丸みを帯びた硬いものが食い込む痛みを感じ、そいつは左手を空ける為に俺を今度は膝で固定し直したんだと悟った。


 殺られる…


 無我夢中で自由な左手でベッド上をまさぐり、指先に触れた硬い小さな四角い物を、限界まで左腕を伸ばして掴み、でたらめに背後の人物に向かって力一杯叩きつけてみた。


 ガシャッという大きな音と共に、チーンという甲高い機械音も聞こえ、俺が掴んだそれが目覚まし時計だったと気付いた。


< 191 / 463 >

この作品をシェア

pagetop