ロシアンルーレット【コミカルアクション】
 就職したての頃、俺はまどかさんに憧れた。


 とゆうか、新人は皆まどかさんに憧れる。


 背が高くて、スタイル良くて美人で、頭がきれて、優しくて気さく。


 長所はいくらでも出てくるのに、短所は一つも見つからない、まどかさんは完璧な女性だった。


 そんな野郎たちの憧れの的であるまどかさんを、蔦山さんはいとも簡単に手に入れた。


 と言っても、まどかさんの方が蔦山さんに惚れてたらしいから、当然と言えば当然なんだけど。


 そして…


 あっさり寿退社。


 誰もが拍子抜けで、『あ…ああ、蔦山さん、まどかさん、おめでとう…』的な、ゆる~~い感じで祝福した。








「皆人さぁ、いい加減ちゃんとした女性(ヒト)見つけたら?」


 またお説教…。


 このヒトはきっと、俺の乱れた生活が、女によって改善されると信じてるんだ。



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