ロシアンルーレット【コミカルアクション】
 扉の所まで来て振り返ると、ノアが兄貴の傷口に触れようと伸ばした手を、兄貴が掴んで阻止し、そうしたまま真剣な面持ちで見詰め合っている二人がいた。


 何?あの感じ…


 明らかにあの二人、全くの他人ではない!?


 それともやっぱり…俺が蔦山さん捕獲に行ってる間に、兄貴の野郎、ノアと…


 ああもう、込み上げる激しい嫉妬心と怒りで、おかしくなりそう。


 とにかく今は、発射阻止だ。


 俺は思い切り自分の左頬を、左手ではたいて、司令室を後にした。


 俺の勘では多分、来るとき突き当りを左に折れた所を、反対に右に折れれば管制室に辿り着くはず…。


 俺、頭は悪いけど、勘だけは野生動物並みに働くしね。


 俺はそのまま全速力で来た道を逆走した。


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