ロシアンルーレット【コミカルアクション】
 オヤジは俺のそんな猜疑心を見抜き、照れ笑いのような、なんとも表現しがたい不気味な笑みを洩らし、慌てて付け加えた。


「龍一らが最近お前の周りをうろついているらしいと、捜査官から報告を受けた。いずれお前のところに龍一が現れるだろう。その時はすぐ知らせるんだ、いいな。龍一が何を言おうと惑わされるなよ。あいつの話術はカリスマ的だ。自分達のやろうとしていることを正当化し、お前に手伝わせるつもりかもしれん。いいか、騙されるなよ。」


 その力強い語りは、まるでアメリカの大統領選の演説のようだった。


「わかった。」


 この場合、こう答えるのが最も無難だろう。


 オヤジは満足そうに頷くと、静かに立ち去った。


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