治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん
「こ、殺されたんですか……」
「その線が濃いと我々も見たんだが。……肝心の死体さえも見つからないんだ」
「死体が……」
「ああ、奇妙でしかない。人が一人消えるというのは現実的に有り得ないだろう。人は物体だ。生きるも死ぬも、必ず“体”が世界に残る。
というのに、未だに見つからない状態。悔しいことだが、これ以上、消える人を作らないためにも調査を止めている状態だ。
街の者にもなるべく夜の外出は控え、出来うる限り街の外には出ないように言いかけてある。
君たちもしばらくの間は、この街に滞在した方がいい」
警察官の注意はもっともだろう。
伝説すらなりうる魔導師が近くにいるのだ。
やぶ蛇をして痛いという話しではすまされない。
確かに、しばらくの間はここで過ごした方がいいかとも思うが。
――いけないモノを見てしまった。