治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん


ふう、と歩いたおかげで出た汗を軽く拭う。


ここにあの変態がいれば、『汗で濡れる君も魅力的だ』とか言われるわけだが、今現在彼はいない。


正しくは、出ていない。


『多分、俺はいない方がいいな。戦う前に話し合ってみるのも手だ。物事を穏便に済ませるのも大切だよ』


らしく、彼は隠れるようにして先ほど私の中に入った。


気持ち悪いことこの上ないが、彼が体に入っていて私の体に異常はない。


うっとうしいのが一つ消えたと喜ばしいことだけど……やはり気持ち悪い。


彼は私の体にいる時は眠っている状態と同じで、外界とは隔絶されているらしいが。


私の“感情”に反応出来るらしい。


意識は繋がっているらしく、主に『怖さ』『脅え』『困惑』などの意識(主人)の危機的状況に敏感に反応してくれるそうだ。


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