治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん
どうしようかと思っていれば。
「ユーリお姉ちゃん、悪い人探しているの?」
アリスちゃんが首を傾げながらそんなことを聞いてきた。
そういえば、さっき言ったなと思う。
「うん、悪者探してるの。そういえば、アリスちゃん。ここら辺で怪しい人見なかった?」
膝に手を当てて、アリスちゃんとなるべく目線が同じになるようにしゃがんだ。
――それで気づく。
「ぬいぐるみ……」
「見たよ、悪者」
ウサギのぬいぐるみ。よく見れば、汚いぬいぐるみだった。
ボロボロで、綿が出ていて。
「悪者いっぱいいたの。みんな、怖い人たちだったの。怖い、こわーい、いっぱいの人たち」
ウサギが首にさげる金色の時計は、文字盤にひびが入り止まっている。