治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん


盛り上がった土の下を想像する。


大地が荒れているのは一度掘り返し、また埋めたから。


その埋めたというものが。


「アリス、ちゃん……」


「どーしたの、ユーリお姉ちゃん。怖い人はもういないんだよ。――うん?ママ、どうしたの」


ふと、アリスちゃんは十字架の前。しゃがみこんで、ペタペタと土に触った。


「大丈夫だよー、ユーリお姉ちゃんは優しいもん。アリスのこと誉めてくれたよ。……うん、大丈夫。心配しなくても……え?ユーリお姉ちゃんが怖いの?どうして、ママ」


独り言。
話す相手なんかいない言葉は独り言というのに。


「怖がらなくていいよ、ママ。アリスがついているよ。そうか、ママが怖がるんじゃ、仕方がないよね」



土に語りかける女の子は、到底独り言には思えなかった。


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