治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん
【おかえりなさい】
この世界に相応しい住人が姿を表した。
アリスちゃんの真横――土が盛り上がる。
モグラでも出てきたようにゆっくりと土が波打ち――黒い手が出た。
「――――」
悲鳴をあげる。
涙目になっても、目が離せなかったのはその不可思議な光景の虜となったか。
初めて見た。
地から這い出る人というのを。
指から腕。腕が二本出て、頭、胴体、足。
ミミズが這い出るように出た体は大きく細かった。
そうして全身黒ずくめ。
喪服みたいなロングドレスは、“彼女”の素肌を決して出さずに。唯一見えそうな顔は長い黒髪によって隠れていた。
猫背気味に顔を下げたまま、くるりとバレリーナが回るように二週する。
服についた土汚れが綺麗に落ちたわけだが。