治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん
「お兄ちゃん!なんで、お兄ちゃんが……」
一番、彼の登場に驚いていたのはアリスちゃんだった。
まん丸な目を余計に大きく開いて、黒人に抱きついている。
怖がっていた、アリスちゃんは。
「ママ、お兄ちゃんいたよ。でも生きてる。そうか、お兄ちゃんいたからママも怖かったんだね。
ママ、どうしよう。お兄ちゃんやっと見つけたのに生きてる」
「やっと……?なんだ、俺を探していたのか。どうりで、めったに人前に姿見せない君がこんな地にいるわけだ。
どうやって知った?俺がいると」
彼が話しかけるなり、アリスちゃんの震えは止まらない。
見ていて可哀想なぐらい震えて。
「シブリールさん、ちょっと……」
たまらずに口を挟んだのはそう時間はかからなかった。
第一、私の中で話がまとまらない。
「アリスちゃんと知り合いなんですか」
「あー、まあ……。知り合いと言うかね」
聞いてもどこか言いにくそうな彼。
それでも聞かせて下さいと言えば、まいったなと彼は口を開いた。